以前も同じ目にあったが、「何年か経ったし改善されてるかなと思ったら」全然変わってなくて同じ対応されてウンザリしたので、いい加減これは消費者の側から声をあげないといけないんじゃなかなと思ったので書きます。 VOCALOIDのライブラリ・エディター等の製品にはチャレンジ&レスポンス型のアクティベーションが導入されています。これはインストール時にライセンスサーバーにパソコンの情報とライセンスキーを送信し、同じライセンスキーが別のマシンで使われていた場合にインストールをできなくするというコピープロテクトのしくみです。 この仕組みの意図としては不正コピー流通を防止するためということで、私自身同じソフトウェア開発者という身として理解はできます。実際、市販されている多くのソフトウェアでこの方式のアクティベーションが実装されています。 しかし、この方法には決定的な問題があるのです。 それはユーザーが新しいマシンに乗り換えた際やマシンが壊れて買い替えた際に正規購入者であるはずなのに不正なインストールとして検出されてしまい、インストールができなくなるという問題です。 その場合はサポートセンターに問い合わせを行い、購入時のレシート・注文番号・注文確認メールなどで正規購入者であることを確認の上、シリアルコードを伝えて該当シリアルコードのアクティベーション制限を解除してもらった上で再度アクティベーション作業を行うという 大変めんどくさい作業が必要になります。 いつものようにサポートセンターの連絡先を調べて、メールを送りました。 すると返事がきました。内容は次のようなものでした。 私は割と頻繁にパソコンを買い換えるタイプなので1~2年くらいで新しいパソコンに音楽制作環境を作り直します。音楽制作のソフトはいろんな時期に購入するため、新しいパソコンにインストールし直すたびに何らかのソフトがこの手のアクティベーション問題にひっかかります。 今回はそれがVOCALOIDでした。 お客様へ ※メールの末尾に「メール内容を無断転載・引用しないでください」的な記述があったので、だいぶ要約して書きました。 (゚Д゚)ハァ? って感じですよ! こちとら急にパソコン壊れて泣く泣く環境再構築してるっていうのに。 また同じ状況になったとしたら、パソコン壊れた被害者に向かって「あなたのシリアルコードはもうアクティベーション解除できません。新しいライセンスを買ってください」と言うのですか? 泣きっ面に蜂もいいとこですよ。 しかも申込書に記入してって言われても、もし問い合わせしてきたユーザーがWord入ってないパソコン使ってたらどうするんですかね?LibreOffice使ってくださいとでも案内するんでしょうか? そもそも記入して欲しい情報が初めからわかっているなら最初から専用の問い合わせフォームでも用意しとけって話です。二度手間感はんぱないです。 昔クリプトンがアクティベーション制限解除の自動対応フォーム用意してくれてたけど、あれ続けてくれてたらよかったのにな…やっぱ不正ユーザー多かったりしたのだろうか(´・ω・`) ちなみに、他にも海外のいろんなソフトウェアメーカーに同じ内容の問い合わせしてますが、こんな返答してきたのはヤマハだけです。 海外のソフトウェアメーカーの皆さんは、購入時の確認メールや注文番号・シリアルコード・アクティベーション解除を要求する理由をメールで送るだけで大抵一発で対応してくれます。 「日本語でサポート問い合わせできるなんて楽だな」なんて一瞬でも思った私が間違いでした。 とりあえずおとなしく申込書記入して返事してやりましたが。 今回の一件で、VOCALOID製品を常用しない人は使う時だけアクティベーションして、使い終わったらディアクティベートするのが良いんじゃないかなと思いました。そしたらいつパソコン壊れても安心です。たぶん… 他社のライセンス事情多くのソフトウェアメーカーが同じような方式のアクティベーションを採用していますが、その中でもこの手のライセンス認証問題をほとんど問題を起こしたことのない会社がKOMPLETEシリーズで有名なNative Instrumentsです(これとは別のライセンス問題で問い合わせをしたことはあるのですが)。 Native Instruments社がどうやっているかというと、まず個々のユーザーにアカウントを発行して、Service Centerというライセンス管理アプリケーションをインストールしてもらい、そこからユーザーアカウントでログインを行った上でシリアルキーを入力・アクティベーションするというしくみです。 この方法の素晴らしいところは、ユーザーがログインしていることによりシリアルキーでアクティベーションを行っているのが確実に正規購入者であることを判別できることです。 ですからアクティベーションを行った回数で制限をかける必要はなく、新しいマシンに乗り換えても何度でも再アクティベーションすることができます。 もちろん、複数人でアカウントを共有する(これ自体が規約違反です)ことで不正アクティベーションを行うことは可能ですが、一応サーバー側でもどのマシンからアクティベーションが行われたかをチェックしており、短期間に複数マシンでアクティベーションが行われた場合のみ当該シリアルキーをブロックするということはしているようです。 その気になればNative Instrumentsはシリアルキーだけでなく当該アカウントを停止することも可能なわけです。その場合当該アカウントで正規購入して、そのアカウントを興味本位で流出させた人は丸損することになります。 結果的にアカウントを不正に共有利用しようというモチベーションが湧かなくなります。 ゆるいライセンス認証機構では不正コピーがすぐ蔓延してしまうからビジネスにならない? Native Instrumentsを見ても同じことが言えますか? 全国のソフトウェアメーカーに小一時間問い詰めたい。 Addictive Drumsで有名なXLN Audioや、Adobe Creative Cloud、Office 365などでも同じようなアクティベーション方式が採用されています。こちらはインストール可能台数がある程度決められており、その範囲内で自由にインストールすることができます。 これらの会社に共通しているのはあるマシンから別のマシンのアクティベーションを解除することができるというところです。これは今回のVOCALOIDのアクティベーション問題のようなことを完全に解決できる素晴らしいしくみだと思います。 他には、ライセンスキーの有効性チェックはするけども、サーバーを経由した認証までは行わないという会社もあります。一昔前のソフトはこれが主流でしたが、この方法の良い所はオフラインでもインストールできることと、ソフトウェアメーカーが倒産したりした際にライセンスサーバーが停止してアクティベーションができなくなるといった問題がおこらないことです。 また、このようにサーバーを介さないアクティベーションは非常に簡単に実装することができるので、開発コストを抑えることができます。 するとつまりソフト自体の価格を安くしたり、他の機能を実装したりすることにお金を使えるわけです。 逆に言えばライセンスサーバーを利用するアクティベーションを実装しているソフトはその分だけ価格が上乗せされているか、ソフトウェア自身の機能がケチられているわけです。 ハードウェアドングルキーを使ってライセンス認証をしているソフトウェアメーカーもあります。iLokやVienna Keyなどです。 この方法の良い所は再インストール時にアクティベーションなど面倒なことをしなくともUSBキーを刺しさえすればどんなマシンでもライセンス認証できるということです。 もちろん、この方法の欠点はUSBキーをなくしたら……言うまでもありませんね。 私は一度Vienna Keyを友達の家に忘れてきたことがあり、そのときは「途中の電車で落としたのではないか」「友人の車の中に忘れてきたのではないか」などと考え、夜も眠れない一日を送りました。 そもそも、なんでライセンス認証なんて面倒なことをするのでしょう? それはもちろん、ソフトウェアの不正コピーを流通させないようにするためです。 ではなぜ不正コピーが流通してはいけないのでしょうか? 不正コピーが流通すると、本来会社が得るべきだったお金を失うことになります。 すると会社は経営できなくなり、ソフトの開発もできなくなります。 するとソフトを使いたかったユーザーも使うことができなくなります。 …本当にそうなのでしょうか? 例えばライセンス認証を厳しくすることによって、正規購入者である私のような人間がソフトを使えなくなるということが起こりうるわけです。 逆に、不正コピーが流通しなかったとしたら不正利用者はソフトにお金を払って使うのでしょうか? ぶっちゃけ私自身、中学・高校時代にWinMXなどで不正に市販ソフトを使っていたことがありましたwww(もう時効ですし…) でも、仮にアクティベーションでインストールが防がれていたとして、そこでお金を払ってまで使おうとしていたかは疑問です。 ※個人の感想です 誰のためのアクティベーションなのか? 日本のソフトウェアメーカーさんにはもう一度考えなおしてみていただきたいと思います。 最後に、私の愛用しているDAWソフトであるREAPERの購入ページにかかれていた一文を紹介します。
ヤマハのVOCALOIDサポート対応がよくなってくれるといいなぁ。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
33 コメント
Dita
6/15/2015 22:12:46
何が問題なのか、皆目よくわからないのですが。
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hidea
6/15/2015 23:53:53
よく読みましょう。
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Sarurururu
6/16/2015 10:30:23
http://www.vocaloid.com/support/faq/cubase/deactivation/0004.html
user
6/17/2015 16:49:41
よく読みましょう。
ななし
6/29/2015 18:05:22
僭越ながら、この問題を整理。
nia
6/16/2015 02:22:54
私はボカロはMiriamしか持っていません。
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まき
6/16/2015 06:30:25
ひとつの意見として良いことを言っておられると思います。海外にわたり他社の対応との比較で、ただの文句や愚痴に終わらない建設的な記事になっていると思います。
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ritsu
6/17/2015 12:53:27
同感です。
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hoge
6/16/2015 11:19:38
時効は認知された時点からカウントされるので時効では無いですよ
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Mizu
6/16/2015 12:17:46
個人的にはアクティベーションの仕組みは嫌いです。面倒くさいですし。
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ren
6/16/2015 15:46:29
vocaloidのライセンスは1回きりだよ、と言いつつも3回アクティベーションできる仕組みになってるってのは周知の事実だと思いますが。
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ななし
6/28/2015 12:33:24
ボカロの「PCクラッシュの際はオフラインディアクティベートはできない」ってのは、非常に困った問題ですが、実は裏技的に回避する方法があります。
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ななし
6/29/2015 16:04:17
すみません間違い訂正です。
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nanai
10/28/2015 04:35:19
アクティベーションの問題は難しいです。
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ペンティアム
2/10/2016 14:25:09
俺も昔の回数制限の方が良かったなぁ、いちいち再発行する作業が面倒だから、今の自己解除に変えたんだろうね。
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2016
2/17/2016 17:30:35
たった今調べてる最中でたどり着きました
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む
11/4/2018 00:36:34
突然壊れることがあるから困るわけでな
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デンデン虫
9/17/2016 00:51:56
いやはや、私もWindows7から10への自動アップデートプロテクト
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デンデン虫
9/22/2016 09:19:35
尻切れですいません。
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mool
6/22/2019 18:40:43
僕も1st PLACEから音沙汰なくIAが使えなくて困ってます!
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クダ
12/29/2016 02:57:07
不正コピーが蔓延すると、お金を払って買っていた人がお金を払わなくなります。これも勿論問題なのですが、一番の問題は、「無料で手に入れることができる」という認識そのものです。無料で手に入るのにわざわざお金を払う人はほぼいません。その結果、とにかくキャラ萌えをさせ、グッズを買わせる方針にシフトしたのがゲーム業界です(pc、pspのゲームはtorrent、dsはマジコンが流行りました)
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ああああ
9/2/2017 14:22:29
アホ杉ワロタ
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ちょー
9/16/2017 17:04:29
鬼の首でも獲ったかのような過去の犯罪告白を叩くやつって何しにここにいるの?
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一開発者として
11/18/2017 06:17:23
ソフト開発者としてですが、
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.
1/21/2018 18:41:16
こうゆう所で揚げ足撮るみたいに主題と関係ないことグダグダ言ってるコメントって本当ウザい
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名無し
2/23/2020 09:50:32
PCユーザーで3回以上も買い替える機会があるユーザーなんてどれだけいるの?
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1
6/16/2020 13:38:31
違法ユーザーのために正規のユーザーが負担を強いられるのは違うんだよなぁ
むうでぃ
9/23/2019 02:22:03
ディアクチできなくなって、ググったらこの記事が…どうなることでしょう…
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ろっくでなし
6/13/2020 01:15:10
自分も音楽制作してる身なんで、気持ち分かります。
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わろ
6/18/2020 15:17:51
ぶっちゃけ私自身、中学・高校時代にWinMXなどで不正に市販ソフトを使っていたことがありましたwww(もう時効ですし…)
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ワロタ
10/24/2020 10:29:17
オマエ何しに来てるの?www
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